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骨の折れる作業
骨の折れる作業を怠る人、怠らない人。 これが数学や物理学を好きになるかならないかの分岐点。
ノートに書き写す
本に出てくる定義・命題・補題・定理を、一字一句そのままノートに書き写す。 自分なりにまとめたりせず、とりあえずそのまま書く。 本に書いてあることを、なぜ写すのか、無駄に思えるかも知れないが、写すことで色んなことに気付く。 実際にやってみると分かる。
そのときに登場している単語(用語)の定義を言えるかどうか、ひとつひとつ自分でチェックする。 もし言えないようなら、後ろに戻って復習する 。 ここをサボらないことが大事。 もし忘れていたとしても凹まないこと。 それが普通です。 何度でも何度でも復習すれば良い。
命題などの証明も、とりあえず一字一句、一文一文、丁寧に写す。 そして、一文ごとに「なぜそうなのか?」を確認する。 ここで自分をごまかして「なんとなく正しそうだし良いか」というのは絶対にやってはいけない。 もし分からなければ、前の方を読み直したり、ちょっと先の方を読んでみる。
それできちんと理解できたら、もとの分からなかった一文に、自分なりの解説をつける。 この解説は、その時点での自分のために書くのではなく、将来その本の内容を忘れてしまっているかもしれない自分がノートを読み直して分かるように書く。 自分を気遣って書くので、誰の目を気にすることもなく易しい説明をしてあげる。 その説明をノートに書く。 この作業を続けていけば、本の行間が埋まった超分かりやすい自分だけのノートが出来あがる。
こういう作業をしていると、本を読むのにとてつもない時間がかかる。 しかし、それで良い。 それが普通である。 一冊でもそういう作業をすれば、自信が持てるし、二冊目からはもっとスイスイ読めるようになる。
時間はかかるもの
本というのは、本気で読むと絶対に時間がかかる。 悪戦苦闘して七転八倒して読んだ本の内容は必ず身に付き、忘れない。 数学の人は、みんな実体験として知っている。 あせらずあきらめず楽しむこと。
科学リテラシー
科学リテラシーとは、科学キーワードが並んでいて一見すごそうに見える文章と、 しっかりと内容を分かって書いている人の文章の違いを見抜くことができること。
じっくり読む
その科学リテラシーをつけるには、一冊の本を半年かけて読むという能力が重要。
半年かけて読み込む
一冊の本を半年かけて読むというのは、だらだら読むのではなく、 ノートを決めて、机に向かって、毎日読むということ。 論理的にギャップがあるら、それは「分からなかった」という意味なので、分かるまで読む。 少し先を読んで、また戻って何度でも読む。
スタンダードな教科書でも良い
読むのは、とても難しい本である必要はなく、スタンダードな教科書で良い。 例えば、ポリヤの「組み合わせ論入門」など。 しっかりと書かれた本ならば、初心者向けの本でも構わない。
そうやって、1冊を半年かけて読んだなら、キーワードの陳列・他人のふんどしという類の文章と、 本当にそこでちゃんと戦った人の文章の違いが分かるようになる。
Amazonのレビューの注意点
本が出たあとすぐにAmazonにレビューが載るのは、書き手として喜んではいけない。 それは中身が薄くて1日で読めた、という意味だから。
数学教科書の良さ
数学教科書の良さは後ろに戻れば定義が書いてあること。
数学の定義
数学書は定義は厳密だが、証明はときどき飛躍があって、その穴を埋めるのも勉強になる。 たった1行を理解するのに1週間かかることもある。 しかし、定義は全て書いてあり、そこまでの証明も理解できているのなら、希望をもって考え続けられる。 ただ、定義が書いてないと希望を持てずに考えるハメになって辛い。
プログラミングの勉強
プログラミングの勉強でも似たようなことが言える。 まずはテキスト通りプログラムを書いてみて、忘れている部分があれば振り返る。 1行1行どんな処理をしているのかきちんと考える。 そのとき、コメントを付けてみる。 パラメータ等を変えて、色々試してみる。
「パラメータを変えて試す」というのは、数学だと自分で具体例を作って計算してみる、ということになる。
暗記
本を読んでそれをノートに書く際に本を閉じてから書く、というひねりで難易度が上がる。 左手を本の表紙の下にいれ、本の左ページ上部を持つようにして読み、ノートに書くときは閉じる。 案外書けないことを実感できる。
頭のバッファに入れてから、バッファ内の内容をノートにダンプするイメージ。
心構え
自分のなかに正しさの根拠を持つこと。 一番大事なことは、自分を誤魔化さないこと。
「何故それが正しいのか」を、自分が納得できるまで粘り強く問うこと。 数学は、それが比較的やりやすい学問。 自分が納得するためなら、教科書だろうが教員だろうが、何だって使ってやる、という姿勢でいること。
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